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2013年4月 5日 (金)

てつのくじら館が凄い

海上自衛隊呉史料館 / てつのくじら館が凄い!

広島県呉市、戦時中は連合艦隊の母港で
海軍の街として有名です。
JR呉駅を降りてすぐ、海上自衛隊系テーマパーク
「てつのくじら館」があります。海上自衛隊を退役した本物の潜水艦を
陸揚げし、展示しているのです。しかも入場は老若男女ともに無料!
潜水艦とはどんなものなのか?
潜水艦に興味がある方も、そうでない方も、一見の価値ありです!
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どーーーーん!!
さて、入口はどこだ?
この海上自衛隊の潜水艦「あきしお」は昭和58年に竣工、同60年に進水
昭和61年より就役。大海原へ潜航を開始しました。
 
平成16年に役割をまっとうし、退役。
クレーンで引き上げられ、呉駅前に展示される運びとなりました。
 
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やっと見つけた。ここが入口。潜水艦の横に
資料館建屋が併設されており、まずここから
見学するようです。
なんと、老若男女、入場は無料だ!
あ、さっきも言ったか。休日ともあって
ご年配から和やかな雰囲気の家族連れまで
大勢がお越しでした。
 
 
 
 
 
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入るや否や、いきなりどーーーん!
これは「機雷」です。
もちろん本物。
海にプカプカ浮かべて、敵の船や潜水艦に
触れると爆発するワナのような兵器です。
海上での地雷と考えてください。 
 
 
 
 
 
 
 
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機雷は戦争中、日米ともに用いたものですが
戦争が終わってもたくさん残っていたので
これを処理する作業が、現在でも続いています。
この海の危険を排除して綺麗にする作業を
「掃海」と言います。
日本海軍が自分で敷設した機雷はまだ構造が
わかっているし、単純なのでマシだったのですが
米軍が飛行機から投下した機雷が兎角多く
掃海は危険と困難を極めました。
 
 
 
 
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掃海はすべて日本の仕事でした。
我々の日本人が一生懸命、機雷を取り除いている
最中(当然、殉職者も大勢出ています)
アメリカは何をやっていたかと言うと
朝鮮半島で戦争をしていました。
「朝鮮戦争」です。
アメリカは昭和20年に日本を降伏させた直後
休む間もなく、朝鮮半島で共産勢力と対峙。 
 
 
 
 
 
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今度は占領した日本からB-29を飛ばし
朝鮮半島の各地を爆撃したのです。
この戦争は泥沼化し、総指揮官の
マッカーサーが次のような立案をしました。
「勝つためには20個の原爆投下が必要だ」
この強行姿勢を辞さなかったため
大統領から司令官を更迭されました。
結局、アメリカは共産勢力を押し返すことができず
朝鮮半島は分断され、北朝鮮と韓国にわかれて
しまったのです。
 
 
 
 
話しが少し逸れましたが、その間に、日本は一生懸命「掃海」に従事していました。
こちらを見学すると、そういった苦労が理解できます。自衛隊OBの方がガイドしてくれます。
 
いよいよ潜水艦の資料へ参ります。
 
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資料館を見学して、最も感じたことは
「狭い」「恐怖の閉塞感」です。
 
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こちらは寝台と洗面所。
潜水艦は一度航海に出ると
数か月この空間で過ごします。
海上自衛隊員の中でもとくに
忍耐と精神力が求められる任務です。
潜水艦乗りはエリートです。
 
 
 
 
 
 
 
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潜望鏡です。
自由に触ってよろしい。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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食事です。三食のほかに中間食というものが
あります。実質一日四食となります。
潜水艦の厨房は当然狭く、料理も限られている
し、簡単なものと思い込んでいたのですが
意外にも華麗なるメニューです。
でも少し考えれば、ずっと海の底でのお仕事。
食事は何よりの楽しみですからこれくらいは
当然ですよね。 
 
 
 
 
 
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資料館を一通り見学したので、
いよいよ潜水艦の中へ入って参りましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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せ、狭い。すれ違いにも一苦労だ。
こちらが三段寝台。
なぜ照明の色が違うのか?それは昼夜の区別をつけるためであります。
潜水艦は昼夜の感覚が鈍くなってしまうので、時間帯によって艦内の照明の
色を変えているのです。
白が昼間で、赤が夜間です。  
 
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椅子が一脚と寝台だけのある狭い部屋が艦長室です。 
艦長室は艦橋同様の計器類が揃っており、就寝中の
緊急事態に対応できるようになっております。  
 
 
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艦橋の操舵席。なんと!椅子に座って操艦できます!
舵が動きます。自衛隊OBのガイドの方が「取り舵いっぱい」とか「急速潜航」とか
指示してくれます。大人でもOKですよ。せっかく来たんですから恥ずかしがらずに
潜水艦を動かしてみましょう。
 
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潜望鏡も自由に触ってよろしい!
 
グルグル回しながら実際に外が見えます。 
 
 
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同じ場所です。夜間照明。
昼間だったり夜間だったり、ガイドの方が頻繁に変えてくれます。  
 
 
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以上で潜水艦探索おわり!潜水艦勤務は
本当に過酷なものだと実感がわきました。
 
海上自衛隊の潜水艦乗りの方々、日本の海を守ってくださり
ありがとうございます!
 
外に出て、青空と太陽がこんなにも気持ち良いものだったとは。

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