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2013年4月 5日 (金)

「君を忘れない」三沢航空科学館の零戦

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青森県の三沢航空科学館に展示の零戦(レプリカ)です。
映画『君を忘れない』の撮影に使われたものです。
 
映画をご覧になった方も多いと思います。
キャッチコピーは
『ヒコーキに乗れて、女の子にモテる。そんな青春のはずでした』
特攻隊に選ばれた若者の出撃までの様子を描いた作品で、零戦パイロットの役は
唐沢寿明、木村拓哉、反町隆史、松村邦洋、袴田吉彦、池内万作などが出演。
今では一流の俳優ですが、まだ世に出る前であり、ファンにとっては実に貴重な作品です。
 
キムタクは長髪だし、松村は太っているという、時代背景をきちんと
描こうとすれば、まず有り得ない設定です。キムタクは劇中で
海軍に入ってヒコーキに乗る動機が「髪を伸ばせて女にモテるから」と堂々
のたまうし、明るくコミカルで戦争映画としては実にくだけています。
 
若者に戦争映画を気軽に受け入れてもらいたくて作ったんでしょうけど、
それらを加味しても、くだけすぎている印象が払拭できません。
それでもこの映画で特攻隊に関心を持ってもらえるなら、何も知らないよりマシかなぁ・・・と
考えてしまいます。この映画に関心を持った若者は、これにとどまらず
さらに掘り進めて欲しいと願っています。
 
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Imgp0495■長髪はOKだったのか?
実際のところ、本当に海軍では長髪は許されて
いたのでしょうか?単純なアンサーならば
YESです。
海軍には陸軍のように頭を丸刈りにしろなどと
いう規則はありません。ただし、士官以上(少尉
以上)に限られていました。これは多少ローカル
ルールがあったようで士官と言っても、大尉以上
でないとダメだとか言われた部隊もあったようです。
 
特攻第一号で有名な関行男大尉は長髪で有名ですね。
 
 
しかし、現在の基準とは違うことを忘れてはなりません。当時は、軽く耳に髪がかかる
くらいで長髪と呼ばれました。だからキムタクはいくらなんでも極端です。
 
 
ところで、長髪といえば山本五十六の有名な逸話があります。
あるとき、山本五十六が新聞記者の質問に答えていたときの発言です。
「わしは面倒で五分刈りにしているが、パーマネントだっていいじゃないか。
坊主にしたってだらしないやつはだらしないよ。要するに坊主だろうとパーマネントだろうと
どちらでもいいじゃいか。とくに搭乗員は髪があったほうが怪我もしないからね」
メモを取っていた記者は驚きました。当時の風潮としてはあり得ない発言だったのでしょう
そして山本は堂々「記事に書くならどうぞご自由に」と言ってのけたのです。
 
 
■松村みたいなおデブくんでもゼロ戦に乗れたのか?
これにはふたつのアンサーが存在します。まず時代背景から。この場合の
アンサーは「有り得ない」となります。当時の食糧事情は悪化の一途を辿っていました。
確かにパイロットは優先的に食糧を分けてもらえまたし、飢えることは無かったでしょう。
それにしても、松村は太り過ぎです。戦闘機パイロットともなれば例外なく体力の優れた者です。
仮にあの体型だったとしても、日々の訓練を重ねるうちに絶対痩せるはずです。
そして、物理的な問題。そもそもゼロ戦に乗れるのか?
乗れます。乗ることはできますが、コクピットで身動きはとれないでしょう。
特攻機の零戦は爆装といって250キロの爆弾を吊り下げることが可能でしたし
外部燃料タンクを吊り下げる場合もありました。松村の体重が150キロだったとしても
離陸は理屈上可能です。
 
 
■飛行機乗りの志望動機が女の子にモテるため
飛行機に乗ると言う憧れは誰もがあったでしょう。憧れの飛行機に乗るためなら
その為なら、なんでもやる!といった方がほとんどです。だからこの動機は矛盾します。
第一にお国の為に死ぬ覚悟でしょう。
でも、ひとつだけ言わせてください。当時の彼らの日記などから
休暇の様子などをうかがい知ることが出来るのですが、休暇ともなれば
違いますよね。久しぶりに歩くシャバで女の子に心奪われる様子などが書いてあります。
そこだけは、今も昔もかわらないんです。普通の若者でした。 
 
 
映画は映画で楽しんでくださいね
 
三沢航空科学館には他にも魅力的な飛行機が数多く展示してあります。
機会あればぜひお立ち寄りください。

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