洞窟秘密基地の零式水偵(アイライ)
干潮時に姿を現すのは、零式水偵のプロペラ先端です。
正式名称『零式三座水上偵察機』と呼ばれ、海軍さんでは最もよく使われ、
活躍した水上偵察機です。
水面に見えるのはペラの先端だけですが、シュノーケリングですぐ近くまで
いって潜ってみると、翼やその骨組み、コクピットなどを間近に見ることができます。
背後の洞窟はハンガーケーブと呼ばれていて、飛行機を隠すには絶好の
天然格納庫でありました。しかし、この機体は、その格納庫から出して水上に
浮かんでいるところを敵機(てっき)に見つかり銃撃を受けて、破壊されました。
この水偵は篠原福次郎中尉率いる第30特別根拠地隊附飛行隊
の機体で、このほかにもアラカベサン、アミオンス水上基地跡など
水上飛行機基地の跡を見ることができます。
シュノーケリングでエンジンに近付いてみます。大きなピストンです。
水の中を覗くと、そのほかに主翼や操縦席の様子を見ることができました。
洞窟格納庫の中に入ってみましょう。広くひんやりしています。
零式水上偵察機
同じ「ゼロ」という文字が使われていますが、ゼロ戦とは違います。
ゼロ戦は正式名称『零式艦上戦闘機』と呼ばれ
一人乗りで、敵と空中戦をする為の戦闘機です。
一方、この機体は、零式水上偵察機。敵の基地や艦船を偵察したり、
見張りをするために使われた3人乗りの偵察飛行機です。
飛行機に少しでも詳しい方には
「くどくど説明をしなくても、そんなことは当たり前だ」と言われてしまいそうですが
日本人観光客は、それを知らない人が多いのです。
もっとひどいのは、パラオ人のガイドです。
アメリカの飛行機(B-24の残骸など)まで「ゼロ戦」といいます。
あれもゼロ戦、これもゼロ戦、落っこちている飛行機はみんなゼロ戦なのです。
しかし、ここでパラオ人のガイドが悪いとは決して言ってはいけません。
我々、日本人の戦争に対する関心の薄さから、こうした事態を招いていること
他ならないからです。
このほかにB-24の残骸や大発もあり、主なダイビングショップのツアーで
リクエストすると気軽に行くことができますので興味のある方は
問い合わせてみてください。
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