特別攻撃隊 戦没者名簿
凡例
本表は、特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会編『特別攻撃隊全史』特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会2008年(以下「全史」)、
および同編『特別攻撃隊全史追補版』同 2011年に収録されている「特別攻撃隊戦没者名簿」をExcel表に再編したものである。
表作成にあたっては、「全史」で使われていたフォーマットを可能な限り踏襲しつつ、ソートや検索が可能な名簿表として統一性を図った。
本表に収録されている特攻戦没者および準特攻戦没者は、追補版の修正および追加、削除の指示を反映させている。
氏名順でソート出来るようにするため、全員にふりがなを設けている。ただし、ごく一部を除き仮の読み方である。
資料としての充実性を期すため、本表の一部には、「全史」に記載されていない情報を独自に追加している。

「特攻」と「準特攻」について
本表の母体となった「全史」では、特攻と準特攻の違いを以下のように記している。

特攻:国(旧海軍)により二階級特進(特攻認定)が行われた者
準特攻:国(旧海軍)により二階級特進(特攻認定)が行われていないが、特攻の範疇に加えられるべき戦死をした者

よって、本表も「全史」にしたがい、特攻戦没者を正規の特攻と準特攻に分けて記載した。


表の見方
隊名:特攻隊の隊名、または所属隊の隊名
階級:戦死時の階級
氏名:隊員の氏名
出身:出身県
出身別:隊員の入隊方法
生年:判明している生年
戦死日:隊員の戦死日
享年:生年が判明している場合の享年(数え年)
乗機:隊員が搭乗した機体
出撃基地:隊員が出撃した基地
戦死場所:隊員の戦死場所
備考:その他の事項
※表によっては、これらの一部が欠けている事項があるが、これは「全史」の記述に従った


※以下の注意事項は全て「全史」よりそのまま抜粋※
1. 海軍航空特攻
本表では、特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会が調査した海軍特攻隊員の氏名を記載した。階級は戦死時のものである。
資料の散逸や不備により、不明事項が混在している。
出身別の見方
略称 名称
海兵 海軍兵学校
海機 海軍機関学校
甲飛 甲種飛行予科練習生
乙飛 乙種飛行予科練習生
特乙飛 乙種特別飛行予科練習生
丙飛 丙種飛行予科練習生
特丙飛 特丙飛予科練習生
予備練 逓信省航空機乗員養成所
飛練 飛行術練習生(予科練終了者または下士官から飛行術課程への履修者)
操練 操縦術練習生
偵練 偵察術練習生
普電練 普通科電信術練習生
普整練 普通科整備術練習生
※海軍飛行専修予備学生は出身校と期別を記し、予備生徒は(予生)と表記した
※階級の見方は、7.準特攻(海上特攻隊)の項目を参照。

2. 陸軍航空特攻
本表では、特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会が調査した陸軍特攻隊員の氏名を記載した。階級は戦死時のものである。
資料の散逸や不備により、不明事項が混在している。
出身別の見方
略称 名称
陸士 陸軍士官候補生(士官学校および航空士官学校)
少候 少尉候補者(下士官で一定年限勤務ののち受験、少候となるもの。少年飛行兵出身者も多い)
幹候 甲種幹部候補生
特操 特別操縦見習士官
徴兵 下士官操縦者(徴兵)
召操 下士官操縦者(召集操縦教育)
少飛 少年飛行兵
予下 操縦候補生(民間操縦士を志した有技能者を陸軍で採用して予備役下士官としたもの。括弧は乗員訓練所の場所)
特幹 特別幹部候補生

3. 海軍特殊潜航艇・回天
本表では、海軍特殊潜航艇(蛟龍・海龍を含む)および回天特別攻撃隊の特攻戦没者を記載した。
特殊潜航艇関係戦没者名簿の典拠は、「特潜碑」に合祀されている名簿に拠る。階級は戦死後のものである。
回天関係戦没者名簿は、特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会が調査した回天戦没者を記載した。階級は戦死時のものである。
出身別の見方
略称 名称
海兵 海軍兵学校
海機 海軍機関学校
予学 海軍予備学生
予生 海軍予備生徒
商船 高等商船学校学校短期現役士官
甲飛 甲種飛行予科練習生
※志願兵(鎮守府管轄地域志願兵)の場合は、「管轄鎮守府名(志願)」と表記した
※徴兵(鎮守府管轄地域徴兵)の場合は、「管轄鎮守府名(徴兵)」と表記した
※回天の表では、志願兵の場合は括弧で年を付記した

4. 震洋
震洋隊戦没者は、特攻戦没者とその他を区別することが困難であったため、フィリピン・沖縄の震洋関係戦没者全員の氏名をそのまま載せた。

5. マルレ
本表では、陸軍海上挺進戦隊の戦没者を記載した。階級は戦死時のものである。
出身県は1945年1月時点での本籍地である。

6. 空対空・戦車・空挺
本表では、空対空特攻、戦車特攻、空挺特攻による特攻戦没者を記載した。階級は戦死時のものである。
海軍および陸軍の航空特攻戦没者のなかには、空対空特攻に該当する戦没者がいるため、一部を重複記載した。
高砂族義勇兵は日本名のみが明らかになっている。階級は全て上等兵であった。

7. 準特攻(海軍特攻隊)
本表では、1945年4月の天一号作戦に参加した第二艦隊の戦没者を記載した。
①本表の典拠は、海上自衛隊佐世保地方総監部所管の名簿に拠る。ただし、大和・浜風・磯風に関しては山口県出身の戦没者が欠落している。
 欠落分に関しては、大和は財団法人呉海軍基地顕彰保存会、浜風・磯風は枕崎平和祈念展望台事業奉賛会がそれぞれ所管する資料に拠る。
②初霜戦友会名簿によると、同艦の戦没者はゼロとなっているが、本表では佐世保総監部資料の7名に従った。
③第二艦隊司令部員は、全員大和に搭乗区分されている。第二水雷戦隊司令部員は、全員矢矧以外の艦に区分されている。
④階級は戦死後のものである。戦没者の中では有賀大和艦長のみ二階級特進が行われている。見方は以下の表の通り。
士官
略称 名称 略称 名称 略称 名称 略称 名称
少将 少将 中佐 中佐 大尉 大尉 少尉 少尉
医少将 軍医少将 医中佐 軍医中佐 医大尉 軍医大尉 医少尉 軍医少尉
歯少将 歯科医少将 歯中佐 歯科医中佐 歯大尉 歯科医大尉 歯少尉 歯科医少尉
技少将 技術少将 技中佐 技術中佐 技大尉 技術大尉 技少尉 技術少尉
主少将 主計少将 主中佐 主計中佐 主大尉 主計大尉 主少尉 主計少尉
略称 名称 略称 名称 略称 名称
大佐 大佐 少佐 少佐 中尉 中尉
医大佐 軍医大佐 医少佐 軍医少佐 医中尉 軍医中尉
歯大佐 歯科医大佐 歯少佐 歯科医少佐 歯中尉 歯科医中尉
技大佐 技術大佐 技少佐 技術少佐 技中尉 技術中尉
主大佐 主計大佐 主少佐 主計少佐 主中尉 主計中尉
下士官、兵
略称 名称 略称 名称 略称 名称 略称 名称
兵曹長 兵曹長 一曹 一等兵曹 水長 水兵長 一水 一等水兵
飛曹長 飛行兵曹長 一飛曹 一等飛行兵曹 飛長 飛行兵長 一飛 一等飛行兵
機曹長 機関兵曹長 一機曹 一等機関兵曹 機兵長 機関兵長 一機 一等機関兵
工曹長 工作兵曹長 一工曹 一等工作兵曹 工兵長 工作兵長 一工 一等工作兵
整曹長 整備兵曹長 一整曹 一等整備兵曹 整兵長 整備兵長 一整 一等整備兵
衛曹長 衛生兵曹長 一衛曹 一等衛生兵曹 衛兵長 衛生兵長 一衛 一等衛生兵
主曹長 主計兵曹長 一主曹 一等主計兵曹 主兵長 主計兵長 一主 一等主計兵
略称 名称 略称 名称 略称 名称 略称 名称
上曹 上等兵曹 二曹 二等兵曹 上水 上等水兵 二水 二等水兵
上飛曹 上等飛行兵曹 二飛曹 二等飛行兵曹 上飛 上等飛行兵 二飛 二等飛行兵
上機曹 上等機関兵曹 二機曹 二等機関兵曹 上機 上等機関兵 二機 二等機関兵
上工曹 上等工作兵曹 二工曹 二等工作兵曹 上工 上等工作兵 二工 二等工作兵
上整曹 上等整備兵曹 二整曹 二等整備兵曹 上整 上等整備兵 二整 二等整備兵
上衛曹 上等衛生兵曹 二衛曹 二等衛生兵曹 上衛 上等衛生兵 二衛 二等衛生兵
上主曹 上等主計兵曹 二主曹 二等主計兵曹 上主 上等主計兵 二主 二等主計兵

8. 準特攻(回天関係)
本表では、搭載回天と共に未帰還となった8隻の潜水艦乗組員および基地回天隊の戦没者を記載した。
①潜水艦乗組員に関しては、大神回天会発行の名簿に拠る。戦死日は未帰還認定日である。
②基地回天隊員に関しては、第一回天隊および第二回天隊の基地員および整備員を記載した。
 第一回天隊は第十八号輸送艦で120名を輸送中に米潜水艦の攻撃を受け沈没したが、多くの隊員は慶良間島に上陸し、地上戦闘に加わったと推測されている。
 ただし、氏名が判明している者は全120名中7名のみである。これは、准士官以下の在籍名簿が各鎮守府に保管されていて、陸上所管部署間の移動のため、
 厚労省の名簿には「沖縄根拠地隊所属」とのみ記録されていることから、他と判別することが不可能であったためである。
③第十八号輸送艦乗組員は、全員が艦と運命を共にしたと認定されている。
④階級は戦死後のものである。階級の見方は7.準特攻(海上特攻隊)の項目を参照。

9. 準特攻(震洋関係)
本表では、特攻認定された震洋隊9隊の隊員以外の、震洋隊52隊の全戦没者を記載した。
①本表の典拠は、震洋会発行の戦没者名簿に拠る。
 同会の名簿から、任地展開中に海没戦死、基地または周辺地域での敵空襲などによる戦死、訓練中・終戦直後の事故殉職による戦没者を記載している。
②任地展開中の海没戦死の場合は、戦死年月日、戦死海域および輸送船名を記載した。
③ほとんどの隊員は階級・本籍などの記名がないため氏名のみを記載した。

10. 準特攻(陸軍航空関係)
本表では、陸軍航空特攻作戦において、特攻認定されていないが特攻隊に所属し、諸般の理由で戦死した隊員の氏名を記載した。
①本表の典拠は、防衛省防衛研究所戦史室所管資料、陸士56期紫鵬会「特別攻撃烈士銘々記」、陸士57期戦没者記録「散る桜」、
 特操1期生史、陸軍航空の鎮魂総集編、軍神新海希典を偲ぶ、古野一正、落合重温、前村弘に拠る。
②出撃後に敵機の攻撃を受け戦死、移動中・訓練中の事故死、直掩・援護出撃後の未帰還、本土上空のB29邀撃で未帰還、戦傷入院後死亡などを準特攻とした。
③沖縄作戦後に編成された特攻隊は、待機特攻隊として「と号」、本土決戦用に決まった特攻隊は「決と」を付けた番号で呼ばれていた。

11. 準特攻(マルレ関係)
本表では、陸軍海上挺進戦隊のうち、特攻以外の理由で戦死した隊員を記載した。
本表の典拠は、陸軍船舶隊若潮会の戦没者名簿に拠る。出撃の機会を失い、地上戦闘に加わって戦死した者が大部分を占めている。

12. 準特攻(空挺関係)
本表では、高千穂降下部隊と共に空挺特攻を行ったが、特攻認定されていない挺進飛行第二戦隊三浦中隊の隊員(4名氏名不詳)を記載した。

13. 準特攻(その他)
本表では、その他の準特攻戦没者を記載した。記載されている人物は以下の通り。
①1945年8月15日、宇垣第五航空艦隊司令長官に随行し大分基地を発進、沖縄周辺に突入した第七〇一海軍航空隊員
②1945年8月19日、特攻隊員の教官により編成され、ソ連軍戦車隊に突入した神州不滅特別攻撃隊員
③終戦直後に自決した待機特攻隊員