2017年7月28日 (金)

鶉野飛行場と資料館グッズ

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兵庫県加西市にかつて鶉野飛行場(うずらのひこうじょう)という
飛行場がございました。
 
ここには川西航空機の分工場があり、紫電や紫電改を飛ばしていました。
現在も滑走路や掩体壕などはそのまま残っています。
滑走路脇には資料館も開設されております。 
 
そうした歴史を保存する会「鶉野飛行場未来プロジェクト」のメンバーの方
にお目にかかりまして意見交換会を実施致しました。
 
この会には素晴らしいデザイナーさんがいらっしゃって
これらのオジリナルグッズを購入することができます。
 
一番右は紫電改/紫電Tシャツ。2,500円。
キャラクターはオジリナルマスコット「鶉野少尉」であります。
クリアファイルやステッカー、ポストカードも100~200円と
手頃な価格で手に入ります。売上金は資料館の運営資金となります。
何卒ご支援、よろしくお願い致します。
 
問い合わせ先:鶉野飛行場資料館
http://www.uzurano-hikoujou.com/
 

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遊就館の撮影規定改正

靖国神社の遊就館ですが
今までゼロ戦とSLのあるエントランスホールのみ撮影が可能で
展示フロアは一切撮影禁止でした。
 
それがこのたび、大展示場の撮影が許可されました。
朗報です。
彗星や桜花の展示してある大きなフロアです。
  
日本の博物館や資料館は撮影禁止のところが多いですが
残念なことです。元来、日本人の感覚からすれば、
撮っていいものと、いけないものの区別はつくはずです。
 
一般的な展示は撮影しても、
遺影や遺書を撮るということは躊躇いますし、何よりも
他の来館者の邪魔になるような迷惑行為は当然しない。
 
それを漢字二文字で「配慮」と言います。
本来の言葉の使い方です。 
 
撮影の可否を来館者のモラルやマナーに任せられるなら
こんなに理想的なことはありません。
 
しかし乍、その区別ができない人が増えたから、不本意乍
一様に禁止!としてしまう、そういった事例が多いと思います。
 
義務を果たさず権利ばかりを主張する人が増えました。あくまで
「撮らせて頂く」という気持ちを忘れずにいたいものです。
 
靖国神社遊就館においても然りです。

フェラーリオーナー某氏の話

車好きをこじらせて、サーキットや
オーナーズクラブの会、峠や首都高など
色々な所に顔を出していました。
 
友達もたくさんできました。
フェラーリやランボルギーニ、ポルシェなど
高級車に乗っている方とも知り合いました。
 
同じフェラーリオーナーでも
お話ししていてとても楽しい人と、つまらない人に
分かれてしまいます。 
 
つまらない人は単なる高級車自慢に終始する人です。
「これが限定で、レアで世界で数台しか作っていないから高くて凄い車なんだ」
とか言う人です。こういう話はものすごくつまらないです。
あくびが出ます。
 
一方で面白い人。実にシンプルです。話の内容が高級か否かではなく
「なぜその車が好きなのか?」が純粋に話せる人です。
  
面白い人の代表格でS氏という人がいます。
一戸建てを諦めてフェラーリを購入し「庶民派フェラーリ」を自称される
S氏は、もう、やることなすことが全て破天荒でありまして
話もぶっ飛んでいて面白いです。アニメオタクでもあるS氏は
 
「迷ったら買え!」
 
「ふたつとも買えばいいじゃないか」
  
「買わぬ後悔より買って後悔!」
 
などなど、数々の名言を私に授けてくださった
恩人(迷惑?)であります。
 
そのS氏が一戸建てを諦めてフェラーリを買った理由ですが
「音がサイコーだから」なんだそうです。
 
確かに、あのフェラーリサウンドはフェラーリでないと絶対に出ない。
エンジンとマフラーと車体デザイン
どんなに同排気量のマシンを改造したところで出る音ではありません。
 
「ワシはあの音を買ったのじゃーー!」
 
極めてブレが無い生き方に敬服しておりますと
  
「ヘッドライト片方で120万円だぞ!高過ぎる!!」
 
などと
と泣いていることもしばしばあります。
 
「フェラーリのエンジン音を響かせてワシのマシンが走るとき
ああああ!生きていてよかった!!!と心の底から思う!」
   
一緒に高速道路を走っておりますと、 
確かに、フェラーリの音は何にも代えがたい、素晴らしく
官能的だと、感じるのであります。
 
蛇足でありますが、
S氏はすごく愉快な方だったので、その後、綺麗なお嫁さんを貰い、
最終的に一戸建ても手に入れておりました。
結果的に、という話です。

測量士さん

ペリリュー島の遺骨収集にあたり
島の正確な地図が必要となったため
測量士さん3名と共に、ペリリュー島へ参りまして
基準点を、 大山の山頂にしよう、という事になりました。
 
そこでペリリューに向かう途中、
測量士さんに様々な苦労話をお聞きしました。
 
日本人は古い時代から
山をあればトンネルを掘り、谷があれば橋を架けてきました。
 
高速道路の測量では、未開の山奥へ赴き
谷底をトレースしながら
山から山へ、二本の足で歩いてゆく。
蜘蛛の巣をくぐり、藪に足を取られながら。 
 
「建築家は整地された場所に建物を建設して
名を馳せるのに対して、我々測量士の名前が残ることは無いですね」
 
なんともその通りであります。
私達は、高速道路を走るとき、電車に乗るとき、
喫茶店でお茶を飲む時、どんなときでも
測量士さんの恩恵を授かっているわけです。
忘れてはならない真実。 
 
そうして大変な苦労をしながら間もなく70歳を迎える測量士さんは、
最後にこう締めくくったのでした。
 
「名前が残らない」
 
「でもそれでいい、いや、それがいいと私は思っているんですよ」
 
重い一言でありました。頭が上がりません。
こういう事を仰ることのできる方々が、我が国の礎を築いてこられた、
そして現在も多く活躍されている。見えないところで。
それが我が技術大国、日本であります。

蒼空はるかメイキング

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キャラメイキングです。
左側が下絵、真ん中が着色してすっぴんの状態です。
これにアクセサリーを加えた状態が右側になります。
別パターンも作成中であります。

2017年7月27日 (木)

ベクターデータの販売

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イラストデータのライセンス販売を始めます。
 
今までは主に自分でグッズを製造していましたが
一度に数十万~百万単位でかかるので
マイナー機などはグッズ化にも相当な費用と覚悟が要りました。
大量のダンボールに囲まれて
袋詰めや在庫管理などで日が暮れてしまいます。
 
そこでベクターデータ(編集可能)のライセンスを販売して
自由に使って頂こうと考えています。 
 
見本を少しアップしました。販売するのは
今まで描いた飛行機と艦船全てです。
零戦は全ての形式が揃っています。
編集可能なので、カスタマイズやカラーリング、
自由なデザインが出来ます。
 
取材で全国各地に行くのでお金がかかります。
クラウドファンディングが流行ってますが、
どうしても身動きが不自由になりますし、責任の所在が曖昧となります。
今のところ、必要なお金は自分で調達するがモットーです。

2017年7月25日 (火)

戦艦大和乗組員 都竹卓郎さんのお話し会

戦艦大和乗組員都竹卓郎さんのお話し会が
靖国神社で行われます。
 
主催・詳細は下記の通りです。
お問い合わせはリンク先へお願い致します。
 
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菅野泰紀鉛筆艦船画展期間中特別企画
鉛筆画で描かれた軍艦の元乗組員を囲む会〈後編〉
戦艦大和 8月6日(日)
 
10:30 靖國神社 参集殿集合
11:00 靖國神社 昇殿参拝
11:30 遊就館で鉛筆艦船画展見学
12:00 都竹卓郎さんのお話
(戦艦大和通信士としてマリアナ沖海戦・レイテ沖海戦に参加、94歳)
 
13:00 昼食懇談会(弁当つき) 会費: 3500円(玉串料・拝観料・昼食代込)
  
主催:Art Studio 楓(ふう)
帝国海軍軍艦慰霊顕彰会 ※ 昼食の準備が必要なので
参加希望者は8月3日(木)までに要申込
https://www.facebook.com/groups/925028400924600/

ペリリュー 楽園のゲルニカ


大人気漫画
『ペリリュー 楽園のゲルニカ』の作者であります
武田一義先生と意見交換を実施させて頂きました。
 
武田先生は拙著『パラオ戦跡を歩く』をご覧くださり
極力、ありのままの事実を作品に
盛り込みたいとのお考えで一致しまして
いよいよ、物語の終盤をお描きになっています。
 
武田一義先生の『ペリリュー 楽園のゲルニカ』原画展が
7月28日(金曜日)より茨城県笠間市の筑波海軍航空隊記念館で行われます。
ぜひ足をお運びください。 
 
筑波海軍航空隊記念館お知らせページ
http://www.p-ibaraki.com/1545 
 
筑波海軍航空隊記念館TOPページ
http://www.p-ibaraki.com/

2017年7月24日 (月)

二式大艇パイロット吉田さんインタビュー

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第901海軍航空隊で
九七式飛行艇、二式大艇のパイロットをされていた
吉田さんにインタビューをさせて頂きました。
吉田さんは飛行時間1000時間で、
九七式、二式と両方の飛行艇の操縦をされておりました。
 
実はハセガワ模型のパッケージで有名なこちらの箱絵、KEA63号機は
吉田さんが操縦していた九七式飛行艇で、戦後、このイラストを見て
びっくりなさったそうです。

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吉田さんは飛行艇の着水の操縦方法を解説してくださいました。
こちらのインタビュー動画を交えて
少しずつ、書かせて頂きます。
 
また、吉田さんの講演予定もございますので、決まり次第
こちらで告知させて頂きます。

2017年7月21日 (金)

彗星パイロット大野徳兵衛さんのお話し(3)急降下ダイブ

大野徳兵衛さん大野善也さん
 
◆ダイブ準備

 
急降下する前に、カウルフラップを全て閉じます。
急降下するとエンジンは1分間で急激に冷えます。
トーン(シリンダーの温度)が100度以下に低下すると
オーバークールでエンジンがストップしてしまう危険がありました。
 
急降下した後は、カウルフラップを全開するのを
忘れがちになります。今度はオーバーヒートになりますから
気を付けなければなりません。
 
ダイブすると、急激な気温と気圧差に伴って湿気で飛行眼鏡が
曇ってしまいますから必ず眼鏡を外しておきます。
 
◆ダイブ角30度より降下
 
高度6000-6500メートルからダイブに入ります。
訓練では9000でやりましたが、
戦地では6000-6500ぐらいですね。
急降下爆撃では7000以上は必要ない高度です。
6500以上は燃料物凄く食うんですよ。
 
30度くらいで降下していきます。
エンジンに沿わして標的をずらしていく。
機体が放物線を描くように
目標の敵艦に対してだんだん深くなるんですよ。
 
はじめから急降下すると浮力がついて90度になってしまうんでね。
最終的にダイブは60度がベストで62、3度が限度ですね。
それ以上は引き起こしができないんですね。実際に
訓練中に小西兵曹が角度が深すぎて海に突っ込んでいます。
 
6000-6500メートルでダイブを開始して徐々に高度を下げて行きます。
このときペアが後席で高度を読み上げて行きます。
高度の読み上げは、1000のときにメーターをつけるんです。
500のときはメーターつけないんです。例えばこうです。
 
「6500、6000メーター、5500、5000メーター」
 
こんな具合で読み上げていきます。
 
◆ダイブブレーキ展開
 
3000メートルから2000メートルでブレーキをかけます。彗星の
エア(ダイブ)ブレーキですが、私達は空戦フラップと呼んでおりました。
この空戦フラップを使えば零戦と変わらない捻り込みが出来ました。
戦闘機にも劣らない、彗星は名機です。
 
ブレーキをかける時期は身体の感覚でしたね。振動がダーっと
全身に伝わってきて、スピードメータも見ません。
 
◆ダイブ角度60度
 
ダイブした彗星は高度2000-1500で60度に達します。
真横から見れば60度ですが、少し他の方角から見れば
垂直に見えるんですよ。乗ってるほうはもう完全に垂直ですよ。
座席から重心が前に行く。真っ逆さまですね。
 
◆弾幕に突っ込む
 
対空砲火の弾幕は凄まじさですが
自動車を運転して雪の降る高速道路に乗りますね。
すると、雪が自動車のフロントガラスに当たる。
あれと同じです。曳光弾と似ているので。いつも自動車に乗るたび
思い出します。
 
実際に目に見える弾は三発に一発の曳光弾だけで
残りは徹甲弾や焼夷弾ですから、実際にはその三倍もの
弾が飛んできている勘定です。
 
弾幕を張っているときグラマンも飛べないので
攻撃中にグラマンに落とされたという話は聞いたことがありませんね。
 
弾幕が張られているのは1000メートルから2000メートルの間ですね。
弾幕も二種類あって、薄い弾幕と濃い弾幕が重なっています。
薄い弾幕は500メートルから600メートルくらいまでありますが
 
◆輪形陣のド真ん中に突っ込む
 
濃い弾幕を抜けて視界が開けたとたん、びっくりしたのが
敵艦隊の輪形陣の大きさで、そのど真ん中に突っ込んでおりました。
 
どれでも狙えますよ。
そのときは巡洋艦クラスでしたね。
 
◆爆弾投下
 
訓練の規定では、高度650メートルで引き起こしすると
決められていましたが先輩から
「大野兵曹、そんな正直に650で突っ込んだりしたら落とされるぞ」
と脅かされました。650メートルで引き起こすと
待避高度が300メートルくらいになりますね。
それが戦地では撃ち落されると。
 
高度7000メートルから
50-60秒で敵艦の上空まで落下します。彗星は
一秒間に140-150メートルのスピードで進んでいます。
 
彗星は爆弾倉があって、爆弾はその中へ抱えていました。
敵艦隊上空に進入いうときに開けるんです。中翼ですからね。
その中で爆弾を腕の先に取り付けていて、
腕が爆弾を下におろしてから投下する仕組みになっていました。
 
爆弾を投下して、すぐ引き起こす。
投下してゼロコンマ何秒です。操縦桿を引く。
 
操縦席にはタマがある。
中に水銀のタマ。それが水平儀の中心にこないと駄目なんです。
タマが右にずれている場合は飛行機は左に滑っていると。
滑るということは、200も300もずれて爆弾が落ちる。
つねに、水をコップについでこの水がこぼれんように
持っていくというのがコツ。
 
だから弾幕と雲の間を縫いながら、体がこうならん(振り回されない)ように。
軸を据えて、機体が横に振れんようにもっていくのが難しい。
その訓練をずっとやるんです。
一朝一夕ではそこまで到達しない。
 
飛行機の操縦は難しいものでは無いです。
一ヶ月あれば飛べるようになります。しかし急降下爆撃は
そうそう弾はうまく落ちるもんじゃないんです。
 
◆引き起こしにかかる7Gとブラックアウト
 
そのときは私は、高度650メートルをオーバーして
450メートルまで降下していたんです。引き起こして、機首は上げても
慣性で350メートルぐらいは沈む。もう水面スレスレですよ。
それで助かった。
 
艦橋で機銃を持っている兵隊が伏せるのを見ました。
一秒間に150メーターもいくので照準できなかったんでしょう。
敵もあっというまに弾幕の間から出てきて爆弾を落とされる。
特攻だと思ったのかもしれません。
 
引き起こしのGが凄い。6Gか7Gかかります。
血圧も凄いですよ。普通の人間は死んでしまいますよ。
 
感覚としては、骨だけ残して、身だけ剥がれる。
上の瞼が下がってきて見えない。目の前も暗くなる。
どんなに食いしばっていても顎が開きます。
艦爆は6G、7Gかかる。ブラックアウトですね。
飛行機乗りの中でも肺や心臓が強くないと乗れない。
 
1000メートルぐらいで引き起こしたものはみな落とされたと聞きました。
1000で引き起こすということは650-700メートルぐらいで艦隊上空を
通過します。これは最も狙い撃ちされる。
同じ速度でも高いところでは敵も照準しやすいでしょう。
 
先輩方はほとんど落とされて帰ってこない。
結果的に私は帰ってきた。
 
◆離脱
 
海面スレスレで引き起したら今度はカウルフラップを開けます。
絞っていたエンジンを全開にしてグアーっと離脱します。
 
最初に申し上げた通り、ここでカウルフラップ開けるのを
よく忘れるんですよ。敵機に追いかけられると
逃げるのに精いっぱいで。
 
私もグラマンによく追いかけられました。待ち構えているように。
ですが、彗星は速かった。戦闘機よりも。
 
飛行機の速度と重力による落下速度をプラスしますから、
降りてエンジンを全開にするとグラマンがなんぼ早くても追い付けないんです。
彗星の最高速度は公称値は280ノットですが、300ノットは出ます。
追いかけてきたグラマンが300ノット出したら空中分解しますよ。
 
後に彩雲というもっと速い飛行機が開発されましたが
彗星艦爆とは構造がちがう。彗星はGに耐えられる。
彩雲は空中分解しましたね。「彩雲がどこどこで空中分解した」と情報が入る。
 
ゼロ戦は3G以上で空中分解しますよ。
それで30度のダイブしかできない。60度でダイブしたら一発ですよ。
ブレーキもついてない。落下していたら、エンジンなんぼスローでも
ゼロ戦は加速し続けますから。そもそも零戦が艦爆のマネしたから駄目なんです。
 
帰ってきたら10発ほど機体に撃ちこまれていました。
 
レイテ、オルモック、リンガエン、台湾沖航空戦と参加して
台湾沖では60名のうち40名が戦死しました。
戦果華々しくが報道されましたが、我々は最低だと思いました。
 
どうせ死ぬなら、行くときは何も思わない。
帰ってきてから「ああ、生きとった」と思います。
  
つづく