次世代への継承
YouTube: 麦と兵隊 ザ・ドリフターズ
ドリフターズが歌う『麦と兵隊』
ドリフのアレンジが素晴らしいんです。
哀愁漂いつつも、こんなに力強く、勇ましい歌は
他にないと思っております。
戦争経験者のおじいちゃん方が集まるでしょう。
少しお酒を飲んだりして、盛り上がってきた頃に
戦争の話になる、そして、あの頃の歌を「歌え唄え!」という雰囲気になる。
指名されたおじいさまは何度か「いやいやいや私はいいですよ」と
数回断ったうえで、照れながら、
「えー、それじゃ、ご指名ですので、誠に僭越ながら」
と、断りを入れつつ、シッカリ歌い上げるのです。
おじいちゃんたちにとって軍歌はイデオロギーでもなく、
なんでもなく、ただ懐かしい思い出そのものなのであります。
戦後、こうしたものをタブー視する傾向が強くなりつつあります。
素敵なおじいさま方と共に過ごしてきた
最後の世代としましては、ぜひともこうした事実を
残したいと考えておるわけですが
なかなか、難しいのであります。昨今は
「ナニ?軍歌?けしからん!軍国主義の再来だ!」
となるわけです。
私は軍歌・戦中・戦後歌謡を通じた時代背景解説本を一冊
書きたいくらいなんです。たとえば
『轟沈』
「青いバナナと一緒に積んだ可愛い魚雷が」
このひとつの文言で、全てが表現されており、あとはオマケみたいなものと
言っても、言い過ぎでない、秀逸な文句であります。
内地からシンガポールを経由して、青いバナナを積んだ。
それが、もう今はインド洋にいる。
そして日本海軍は酸素魚雷だから、メンテナンスにかける
手間とぜひとも戦果をあげねばならぬという思いが
伝わってくるのであります。
『誰か故郷を想わざる』
こちらの記事で少し書きました。英軍が作戦に使う程の
郷愁を誘う歌でした。
英軍からの出前寿司
一気に時代を進めまして、戦争が終わりまして、とっても有名な
『青い山脈』は作ってる途中で軍歌になってしまったんですね。
そして、純粋な歌謡曲としては
昭和22年
『港の見える丘』
戦争直後につくられた歌。戦争直後と思えない程
ロマンチックなんです。そして同時期に流行したのが
解り易い『りんごのうた』です。
YouTube: りんご娘 「リンゴの唄」 2007.5.5
『りんごのうた』は青森のご当地アイドル
りんご娘がカバーしてます。私が実現したいコンテンツは
これに近いのかもしれません。
次世代への継承はアレンジが必須。
しかし、まだ外地では抑留が続いており、社会問題化。
『あゝモンテンルパの世は更けて』が昭和27年です。
私が子供の頃は、こうした戦争の話題も
タブー視せず、ユーモアを交えてお話しするおじいちゃんたちが
数多くいらっしゃいました。戦争は悲惨、悲惨といって
なにもなくなってしまうくらいなら、
エピソードを伝えるために、かくあるべきと思う訳です。
次に「パンの秘密」を紹介して終わります。
コメント