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2020年8月12日 (水)

未来の設計図

若くて可愛ければ誰でも、そこそこは売れる。
そういった若い子を消耗品にして売り上げを伸ばし
自分だけ富を得る、そうした経営者は、
いずれ我が国を腐らせる。
 
私が倒れた時、集中治療室でたくさんの
若い研修医に囲まれながら考えた。
 
息をするのも苦しい、けれど
まだ声は出る。スタッフを路頭に迷わせないように
生命保険をうまく使えば、彼女らを
しばらくの間では食いつながせることができる
のではないかと思案した。
 
そして、死に際くらい、潔くしたいものだと、 
息は苦しいけれど、あと一言くらいは喋れるから。
 
目の前には若い男性の研修医が居た。
瞳孔をみているようだった。私は最期の言葉を決めた。
 
「先生、ありがとう」
 
若い先生は少し驚いて
「いえ」と返答した。
 
そこで死ぬはずだったのだが、
私は復活を成した。
 
頭にきちんと酸素が回ってくると、
彼女らを食いつながせる、
その考えは間違いではないが、
ベストアンサーではないことに気付いた。
 
「しばらくの間」では不十分だ。
一生、でなくてはならない。
 
今は考えを改めて、一人一人の、
未来の設計図を描いている。すなわち各々の必勝戦策である。
私がいなくなっても、
真の個性を持って、力強く生きられるように。
  
盤面は全て違う。
端歩を突いたくらいのとか、あと四手で
玉を差せる、というのもあるから、それぞれに合ったものを
準備しておかねばならない。そこまで思案したうえで、
もうひとつ、足りないものがある。
 
志である。
 
我が屍を乗り越えてゆけ、という姿勢が
リーダーとしての生き様ではないかと考える。

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