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2019年1月10日 (木)

スターファイター 未亡人製造機と呼ばれたF-104

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航空自衛隊の黎明期を研究する上で、
諸外国の事情も調べています。
 
◆F-104 スターファイター超高高度高速戦闘機 
ロッキード社の
F-104スターファイターは航空自衛隊にも供与された機体です。
時代は東西冷戦下にあり、ソ連のMIGは高度2万メートルから核ミサイルを
発射できる性能を保持していました。これに対抗すべく開発されたのが
西側諸国のF-104スターファイターです。
最高速度(マッハ2.4)と最高高度(2万メートル)を稼ぐため、
ロケットに僅かにくっつけたような短い翼が特徴です。
 
◆航空自衛隊で運用されたスターファイター
航空自衛隊のスターファイターは
F-104Jと呼称され1962年から178機が三菱重工業により
ライセンス生産されました。
操縦したパイロットによると、とにかく安定しない
危険な飛行機だったと、いう証言が多く見受けられます。
しかし、その後、航空自衛隊は後継機であるF-4の配備を
進めたため、またF-104そのものは邀撃任務に特化することにより、
事故はありましたが、それほど大きな問題にはなりませんでした。
 
◆西ドイツ空軍で運用されたスターファイター 
一方、同じく第二次大戦敗戦後のドイツでは
我が国と同じように空軍再建が進められていました。
そこでロッキード社よりスターファイターを
 
西ドイツ空軍は、合計916機購入します。
この機数に対して262機が墜落。
161名のパイロットが死亡しています。
異常な数です。
   
航空自衛隊とは配備数の違いもあるでしょうが
邀撃用に特化した機体を対地攻撃に転用したことや
機体そのものの欠陥をアップデートしきれなかった等の不運が
重なったものでした。
 
これが当時、西ドイツで社会問題となり
事実をもとにしたドキュメント映画が製作され
『スターファイター 未亡人製造機と呼ばれたF-104』
というタイトルで公開されています。
  
ロッキード社はこれだけの数のスターファイターを
売らなければ倒産の危機にあったという説もありますが
真相は現在も究明されていません。
 
航空自衛隊では「少々危険で扱いにくい飛行機」だったものが
ドイツではここまで大きな問題になっていたこと知りませんでした。
まだまだ勉強不足です。

コメント

ドイツの撃墜王エーリッヒハルトマンもこの機体の特性から採用を見送るべきと言ったほどですからね。
しかし、この意見は採用されずハルトマンもこれが原因で退役しましたからね。

金澤さん
ありがとうございます。
そうだったのですが、本当によくご存知ですね。
そのような逸話があったとは存じませんでした。
確かにべらぼうに翼面荷重が少なく危なそうな機体だなとは
思っていましたが、ドイツでここまで犠牲になられた方がおられたとは
知りませんでした。航空自衛隊も事故はありましたが。

しかし、ベレンコ中尉事件で有名なMig25はマッハ3級なのに
F-104はこれだけ極端な設計をしてもマッハ2級とは
ロシアの技術力は全く別の進化を遂げていますし凄まじいですね。

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