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2016年2月18日 (木)

戦友会での会話

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K元大尉(94歳)

「もう私は94歳と、先は短いです。若くして散った戦友を思えば
こんなに長生きをさせてもらって、思い残す事無く、明日死んでもいいと
常に思っています。ただし、ひとつ、心配があるとするならば
この先の日本がどうなるか、見届けられないことですね。
最近、ニュースで目にしますように
南シナ海で緊張が増しています。戦友たちが守ってきた日本が、
この先、どうなるかと思うと、それだけが心配ですね。」
 
S元大尉(94歳)
「もし、また戦争があったら、どうしますか
この年で、また行きますか。私は戦争だけは絶対にもう嫌ですね。
若い世代が戦争の勇ましいところだけを知って、また同じことを繰り返さないか
とても心配しています。もし、また戦争になったら、
この際、卑怯者と呼ばれても構いません。震えてどこかに隠れていたいものです。
Kさん。あなたはどうですか」
 
K元曹長(97歳)
「戦後、日本は憲法九条という、理想的で素晴らしい憲法を作りました。
私は戦地で言葉で言い表せないような惨劇を見てきました。戦争は
金輪際繰り返してはなりません。

ですが・・・戦争に行けと、それが国の命令とあらば、行きます」
 
O元大尉(93歳)
「私も、行けと言われれば行きます」
 

A元少尉(96歳)
「私も行きます」
 
I元軍曹(93歳)
「私も自衛のための戦争なら致し方ないと思っています。侵略的戦争は
絶対にいけませんが、向こうから攻めてきたんなら、これは仕方ない。守るために
やるしかありません」
 
W元軍曹(92歳) 
「私はわかりませんが、これでもそれなりに国に尽くしてきたつもりです。
最近の若い者、特に80代は全くなっていません。
自分のことしか考えられない。自分中心に生きている。
同じ老人ホームでも80代はわがままが多すぎます。
あまりに自由すぎた戦後教育がいけなかったのか

もっと自分以外に尽くす気持ちを考えて生きるべきですね。
大勢の戦友たちが命を捧げて守ってきた日本は
どこにいったのか。戦後日本の繁栄は、戦争経験者が土台を築いた。
土台があってこそ、その上に若い人が乗っていることを
忘れないでもらいたい。」
 
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戦友会で「もしまた戦争になったら」という話題になったときのことを
少し書いた。元士官も、兵卒も、戦争を自ら望むものは誰一人と
していない。武人の真の理想は平和なのだ。
しかし、理想を守ろうと、国家の安泰を揺るがす事態とあれば
立ち上がる、というのが大方の見解のようだ。
 
そして日本と言う国は多くの戦友が命と引き換えに
守ってきたものだと確信しているのだ。
 

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コメント

>元士官も、兵卒も、戦争を自ら望むものは誰一人と
していない。武人の真の理想は平和なのだ。
しかし、理想を守ろうと、国家の安泰を揺るがす事態とあれば
立ち上がる、というのが大方の見解のようだ<

仰る通りです。
真に、一番平和を望んでいるのは、あの戦いを身を持って経験した方達です。
それに平和の価値、重みを一番感じているのも彼等です。
そして「平和とは護ること」これを真に知っているのも彼等です。

皆さんの言葉、重く感じられます。

自分も幾つもの戦記を読んで感じるのは、「地獄のような戦場を数多く経験している人ほど、戦場を語らず自慢しない」ということですね。
人の想像を超えるような過酷な戦場の体験は本人でないと分からないでしょうし、それを繰り返そうなんて思っている人を見たことも聞いたこともありません。自分は残された証言や写真などの資料から想像しかできませんが、どの戦場でもどれだけ生き残れるかという自信は全くないです。

しかし、いざ侵略されるようなことになれば「人殺し」と罵られようとも、「一人十殺」一人でも多く道連れを作る覚悟で戦場に行きます。

金澤さん

「戦争は絶対に嫌だけれど、侵略に対しては戦う」この言葉に
武人の魂を感じました。真剣に考えなければなりませんね。

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