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2015年7月 9日 (木)

新国立競技場建設問題について日本人として思う事

 
新国立競技場建設費高騰の問題、

街頭のテレビインタビューに対し、その是非と問われた男性は
「外国の人に自慢できるじゃないですか」と答えていた。
 
この答えは元来日本人の本質とかけ離れたものであり
合理性にも欠ける。
  
巨大な建築・建造物をもって、余所に
見栄を張るのは本来、日本人がやるべき姿でない。
世界一と評される新幹線やトンネル、橋の建設は、日本人自身が
必要性に迫られて、先輩方が苦労して築き上げたものだ。
これらの建築・建造物は
結果として、外国人に喜ばれているが
自慢しようと意図し造られたものでない。
 
日本を訪れた外国人が何に対して喜ぶのか
もう一度、初心に帰って考えてほしい。滝川クリステルが
五輪のプレゼンテーションで
「おもてなし」と発言したのを皆、すっかり忘れている。
 
結論を言う、スタジアムは要らない。必要なのは
おもてなしだ。
建設費2500億円と、完成後も維持にかかる膨大な資金を
もっと、きめ細かなサービスの数々に活用すべきである。
例えば、綺麗なトイレを数多く整備して、それを維持する。
 
そういった日本人の親切さや、几帳面さこそ
外国人がもっとも喜び、最高のお土産になるに違いない。
せっかく日本にお越し下さったのだから、気持ちよく帰ってもらおう。
でかいスタジアムなど、すぐに記憶から消える。
近代的巨大建築物が見たいのなら、とっくにドバイにでも行っている。
  
戦後、日本人は急激に豊かになり過ぎて、知恵を絞ったり
工夫することを忘れてしまった。
近代的建築物の建設よりも、自然との調和・共生が
本来日本人のあるべき姿であり、そういったものこそ
外国人が日本特異の文化として好奇心をもって喜ぶ。
五重塔もスカイツリーも竹のようにしなり、地震を吸収する。
頑強さをもって自然に撃ち勝つというのは、神に刃向う恐れ多い行為。
欧米的考えだ。
 
日本人には日本人のやり方しかないのだから、もう一度初心に帰って
本質を見極めるべきと思う。

コメント

篠原さんのご意見、胸のすく思いで読ませて頂きました。
このようなお考えの方が関係者の中にいらっしゃればいいのですが・・

 元々、「コンパクトなオリンピック開催」などの約束を世界に向けてしたはずなのにそれを完全に反故にする形で今回の決定ですからね。オリンピックが無くとも、東日本大震災の復興で人材不足と言われている建築関係者が被災地に大勢必要なのに、東京がオリンピックで横取りをする形で復興の妨げになっている事実もあります。同じ日本人や世界のスポーツ関係者に迷惑をかけながら見栄を張るのは恥ずかしいことです。
 政治家であれ、実行委員であれ、一度発言したことには責任を持っていただきたいものです。

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