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2015年6月15日 (月)

羽根空港午前二時(1)

Haneda92_2

 

東京国際空港(羽田空港)で深夜、アルバイトをしていた。学生時代。
夜の滑走路の真ん中を走ると、無数の誘導灯が点在していて
宇宙の中を散歩しているようで綺麗だった。
 
空港で働いてみて、一機の飛行機を飛ばすのに大勢の人が
関わっていることが理解できた。夜通しで機体の整備をする
航空整備士や滑走路を点検する人、様々だった。
 
勤務は22時に始まる。フライト終了後の機体を翌朝までに
綺麗に清掃する仕事だった。学校が終わってから漫画喫茶で少し仮眠を
取ってからほとんど乗客のいないガラガラのモノレールで通勤した。
夜の羽田空港ターミナルには人もまばらで売店やレストランも閉店し
静かだった。出発ロビーへ突き抜ける長いエスカレーターを上がって行く。
空港敷地内へ幾重ものゲートを通過しようやく中へ入る。
 
バイトの仲間も多様だった。
 
A君は根っからの飛行機マニアで
このバイトのために山梨県から連夜通っていた。
かかる時間を交通費を相殺すればバイト代は僅かであったのに
彼は飛行機が好きで、毎晩、飛行場内に入るだけでもウキウキして
バイト代は二の次という印象だった。移動中は詳しく飛行機の解説を
してくれたり、みんなが疲れて寝てしまっていても、ひとり滑走路を眺めていた。
 
Bさんは昼間は東京ディズニーシーのキャストとして
働いていて、飾り気の無い笑顔が素敵な女の子だった。
キャストというのが花形だったらしいけど、どこだったっけな。
自分もディズニーランドが好きでバイトの面接までなら
行ったことがあるから、彼女とは色々と話をした。
 
Cさんは無類の免許マニアで、いろいろな種類の
免許を取るのを生き甲斐としている人だった。
彼の免許証欄には普通、大型はもちろんけん引、二輪、
二種も含め取得できる限り、すべての欄を埋めるのが目的なんだとか。
唯一の後悔は普通免許を原付より先に取得してしまったので
原付の欄が空白になっていることだと残念そうに言っていたのを思い出す。
一番の取得困難は「けん引二種」という免許を取ること。
先頭の牽引車量が乗客を乗せた客車を引っ張る
一部遊園地などにあるらしい。免許に費やした金額は相当なものだが
車は所有していない。免許を全種類取得したらレガシイが欲しいと言っていた。
佐藤隆太に似ていて、見た目は無骨だが優しい人だった。
 
画像はドルフィン。見た目が丸くて可愛いしもっとも好きな飛行機。
何より掃除が楽だった。ボーイング747が大変だった。
それと、まだ辛うじてYS11が離島航路に残っていた。
 

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