「震電」のプロペラ
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映画『スカイクロラ』
震電とそっくりの戦闘機が出ています。原作の小説を書いた作家、
森博嗣は工学博士でもあります。動画の26秒あたりのプロペラ
を吹き飛ばすメカニカルな描写に注目。
あまりフィクションの映画は見なかったのですが
とてもよくできているので、載せました。ティーチャーがP-51にも見える。
ここからは史実。
局地戦闘機「震電」の特徴として 後方プロペラであるが
もっとも、これは緊急脱出の折 パイロットが巻き込まれる恐れが高い。
殊に「震電」は対B-29用戦闘機として 敵爆撃機の編隊に突っ込み、
集中砲火を受けるので 被弾後の、脱出という想定が高い確率でされる。
これについて、テストパイロットを務めた山本重久氏が
航空技術工廠、推進(プロペラ)部の技術大尉との間で大激論になったと
戦後回想している。
山本重久大尉
「集中砲火を受けて撃ち合うパイロットの身にもなって設計してください」
某技術大尉
「できないですねえ」
「プロペラ・ボス(プロペラ付け根以下の意)全体を破壊しなくても
プロペラブレード一枚を飛ばすことができたら、残り五枚はアンバランス
になり、瞬間的に全ブレードがスッ飛ぶであろう。それもできないのか」
「技術的に不可能だ」
「不可能を可能にするのが科学で、それをやるのが技術者だ」
「無茶を言うな」
「何が無茶だ。なぜやろうとしないのか」
「こいつ」
山本は憤慨し、自分よりずいぶん古参であろう技術大尉の横っ面を
いやというほどぶんなぐってしまった。※1
その後、プロペラを吹き飛ばす技術が開発され 試作が進められた。
※1 『別冊丸15巻 終戦への道程~本土決戦記』82頁
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