kirarabee様

特攻隊の話をしますと涙ぐんでしまうんですよ。
 
特攻隊の隊長は最初四宮君で。その次が高山かな。
その次が高島だったかな。
 
師団長が体当たりの部隊を作れという命令を。
それではじめて震天制空隊ができたんです。
 
もしもその前に、沖縄かフィリピンかな。
その前に船への特攻で行きましたからね。
右へならえしたわけです。
 
(244戦隊は志願でしたか)
 
みんな熱望なんですよ。
それは本音はね、熱望ということはなかったと思いますよ。
言われれば行くというぐらいのつもりだったと思います。
 
その当時私が隊長でしょう。
各隊から出さねばならないということで
みんな熱望ですからね。
 
だから私は、新婚ですな、結婚してる者
子供がいる者はまだいなかったな。うちの部隊には。
他の部隊には一人ぐらいいましたよ
 
希望も一人ぐらいおったかもわからんけどね。
 
全員熱望ですから決めようがない。
私は自分の飛行隊だけですけど戦隊長はつらかったでしょうね。
 
戦隊長となると46期か47期ということになりましょうね。
当時飛行隊長はぜんぶ55期でした。
 
上からは飛行隊長以下ということで
56期以下と言われてましたからね。
 
(体当たりして脱出、落下傘降下したわけですか)
 
ええ、二人とも。
 
B-29への特攻は高高度のB-29に対しては
体当たりすることすら難しい。
戦果が上がらなくなったら
各飛行隊は全四門持ってるのに
13ミリと7ミリ7とね、13ミリおろしちゃって。
銃を半分にしちゃって弾をね、合わせてたしか100発
にしたんじゃないですかな。
 
とにかく弾をおろして軽くして
 
後ろの防弾の鉄鋼板も、それもおろす。
無線機はおろすわけにいかんですから。
できるだけ軽くする。
 
特攻隊に至っては銃なしですから。
砲までおろしちゃって。
だから体当たり専門ですよ。
 
それでいくら軽くなったとはいえども
9000以上になってね、急旋回すれば高度は落ちますよ。
B-29見とっても発見場所悪かったら体当たりできないわけですね。
 
早く発見して良い位置に居れば。
正面だったら真正面からぶつかれるわけですな。
なかなか難しいんですよ。
だからといって成功しないで降りてくるのは
つらいと思いますね。
 
(出撃される方は出撃する前はどんなご様子で)
 
それは神様ですよ。
 
動揺なんかないですよ。
もっとも特攻隊になりますと別の兵舎に移って
我々とあまり会いませんけどね。
 
時々風呂とかで会うときはあります。
もともと一緒におるもの、四宮君なんかは
先任将校でしょっちゅう話してますから
話しますけどね、落ち着いたもんですよ。
神様だったな。

コメント

コメントを投稿