戦友会を運営して思うこと(1)
戦友会を運営して思うこと(1)将校と兵卒
この年齢でまさか戦友会の代表をさせてもらうことになるとは思わなかった。
メンバーは80代後半から最年長は98歳になる。
実質的な運営(会場の手配、案内葉書の送付、電話連絡、司会等)は
我々若手で行い、戦友の方々には会場に足を運んで頂くだけ結構です、
ということにした。
あちらこちらにぶつかりながら、徐々に軌道修正してやっている。
失礼なこともあるかもしれないが、大正生まれ、明治時代の教育を受けた
ご年配方はどなたも例外なく寛容な心をお持ちで、数々の無礼を
許してもらっている。これが満足に運営できるようになった頃、
この戦友会はもう無いのかもしれないのが残念でならない。
これから、戦友会の運営で経験したことを少しずつ書いていこうと思う。
たくさんあるから少しずつ書く。
まずは戦友メンバーの方をお呼びする際の敬称の付け方だが、「さん付け」
が最も無難かつ適切であると私は思う。戦争は終わった。平等であるが
参加メンバーはいずれも旧帝国陸海軍の軍人だ。これは変わることはない。
そこには士官学校卒業の元大尉や将校(隊長)もいるし、一兵卒(兵隊)も
徴兵された方もいる。元憲兵さんも居る。志願された方と徴兵では
だいぶ事情が違う。そして、元隊長さんは「多くの部下を死なせてしまった」
という自責の念で苦しんでいる。戦争が終わり、退役された今では
上下関係は存在しない。戦友の方々はそれでも、過去の関係が根強く
残っていて、元上官に遠慮して満足に発言できなかったりする。
もちろん、頭ではわかっているのだがそういうものなのだ。
現代を生きる我々には理解が難しいだろう。
だから最もニュートラルな「さん付け」が無難なのだ。敬意を込めるなら全員
「先生」が最も良いが、そんなたいそうな呼び方はやめてくれといわれるので
私は一様にさん付けしている。
間違っても昔の階級で呼んではいけない。
経歴や戦歴を紹介する上で階級を出すときは必ず「元~~少佐」など
元をつけるのを忘れてはならない。
つづく。
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大変な役目もこなしているのですね。
百聞は一見に如かず。
実際に生でお話できる事は貴重な体験だと思います。
うちも、亡くなった母方の祖父が、上海上陸作戦からの話を良くしていましたが、どんな文章よりも印象に残っています。
投稿: フランカー | 2015年5月23日 (土) 08:16
フランカーさん
ありがとうございます。書物より、実際の体験談を
聞くということは迫るものがありますね。
これからそういった方々も亡くなっていきます。
記憶の伝承を如何にしてニュートラルに成すか、難しいところです。
投稿: 篠原 | 2015年5月30日 (土) 12:02