栃木県の最終処分場計画と尚仁沢湧水
栃木県塩谷町の放射性廃棄物最終処分場建設計画
最初に述べておくが、この記事は建設の可否を論じるものでない。
現在おかれている政治側面と現地の状況を記しておくものだ。
進捗があり次第、追記する。
全国屈指の水源地
ここは栃木県に塩谷郡に計画されている
放射性廃棄物の最終処分場予定地から近い
水源地、尚仁沢湧水(しょうじんざわゆうすい)
宇都宮からもおよそ30分と近く、私自身も疲れたときには
ここへリフレッシュをしにドライブに行くことがある。
この写真も一年前に撮影した。
何より水が綺麗でおいしいし、原生林の森が美しい。
宇都宮や矢板など、周辺の
このおいしい水を求めてポリタンクを何個も何個も
車に積んでやってくる。豆腐屋さん、飲食店関係者も多い。
水源地近くには水汲み場があって、基本的には持ち帰りはタダなのだが
最近、個人なのか業者なのかわからないが、多くの人が水を汲みに訪れ
マナーの悪さが問題視されている。
一人で何個も大きなポリタンクを持ってきて水の湧き出ている
ところを占領するものだから同じように水を求めてやってきた
者同士でトラブルになるのだ。
さらに水を積み過ぎて帰り道事故を起こす車が続出している。
カーブを曲がりきれなかったり、ブレーキがきかなくて大きな
事故になる。
水源地近くにはミネラルウォーターのボトリング工場があり、全国の
飲食店や食品工場などに出荷されている。
とにかく、それくらいここの水は全国でも屈指の名水である
ということだ。
原発から出た核のゴミ、つまり放射性物質の最終処分場計画は
地元自治体である塩谷郡塩屋町と矢板市が懸念を表明している。
矢板市は最近シャープの撤退が噂されているし、最大の危機ともいえる。
自民党系知事は容認の立場
平成27年4月の統一地方選挙で栃木県は県議会議員選挙と
市議会選挙が行われるが自民党系議員はいずれも容認の立場を表明している。
一方、無党派や民主党系議員などはこれに反対する構えで対抗、
有権者の支持を求める見通しだ。自民党系の栃木県知事、福田富一氏は
容認の立場を示している。福田知事の任期は2016年なので候補地を
めぐり次の選挙で争うことが予想される。
建設を推し進めたい与党と具体的代替案に欠ける野党
なお最終処分場という名称を国が長期保管場と改めると表明したが
言葉のトリックとしか思えないし、実質的には変わらないだろう。
国は水源地に影響はないとの見解を伝えて理解を求めているが
想定外の事態は十分に予想されるだろうし、原発事故から
我々が学んだことと言えば、何でも「想定外」の一言で
国の見解が信用できるものでないことは明らかだ。
与党は建設を推し進めているが、では反対する野党はどうか
具体的な代替のアイディアがないのもまた事実だ。
我々有権者は、単純な賛成反対に左右されてはならず
具体的アイディアを聞いて、それが論理的であるか
十分に精査して投票しなければならない。
基本的に自治体は国に勝てない
国の決定を自治体は覆すことができない。
沖縄の辺野古基地移設のように、知事が反対すれば工事は進まないが
基本的に資材の運搬許可を出さなかったりと、邪魔をして
工期を遅らせるのが精一杯だ。
問題の根本は処分場建設にあらず
反対する住民と地元の水に関わる業者は何より
収入源を絶たれることを危惧するのだろうが、それは国が保障すればよい。
問題の根本は「核のゴミをどうするか?」これに尽きる。
国の方針に白紙撤回はありえないだろう。
核のゴミはいずれかへ処分しなければならない。ツケが回ってきたのだ。
福島で処理しろといわれても福島の住民も困っている。
原発を停止しただけでは問題は解決しない。
福島、栃木の人たちはもちろん、全国のひとたちも大局的観点から
核の廃棄物をどうするのか、関心を持って考えてほしい。
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