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2013年5月19日 (日)

95歳のおばあちゃんと鬼怒岬

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戦史の調査で知り合った
95歳のおばあちゃんの話をします。

彼女の夫は陸軍少尉でアンガウル玉砕戦で戦死しました。
20代で未亡人となった彼女は、再婚す

ることもなく
この年まで畑仕事一筋で子供を育て、生きてきました。

最近は「早く夫が迎えに来ないかな」
といった言葉が絶えず、私も
なんと言葉をかけて良いのかわからずに、過ごしていました。

将校さんでしたのでお家からは機密書類が多く出てきました。
「自分が持っているより多くの方の役に立てれば」との申し出で
私は、それらを防衛省に寄贈する手続きを取りました。

先日、ようやく防衛省での受領が完了し
彼女のもとに感謝状が届きました。

写真は少尉が亡くなったと推測される砂浜です。戦争当時は
陸上にあったトーチカ(コンクリートの防御陣地のこと)も
長年の波の影響で、砂浜へ徐々に押し出されています。

遺骨は帰ってきていません。

私が撮ってきたこんな写真ですが、おばあちゃんは
夫の化身のように大切にしてくださっています。

とても悲しいけれど、深い愛の絆があるのだなと
感じました。
 

 
追記
この出会いから2年後の
2014年夏、おばあちゃんは亡くなりました。

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