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2014年9月12日 (金)

遥かなるハトホベイ

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ハトホベイ州概要

ハトホベイ州はパラオ共和国の最南端に位置する州で
トビ島(トコベ島)とその東のヘレン環礁から成る。
北緯2度、パラオ諸島450kmに位置し
ヘレン環礁はアオウミガメ、オオシャコが多く
海鳥の大繁殖地である。
 
世界の果てのトビ島は
人口20名、面積は0.6平方キロメートル。
人種的には中央カロリン人に近い。
  
日本統治時代には燐鉱採掘のほか、鰹節やナマコ漁が主な産業であった。
戦時中は陸軍守備隊が配置されたが、終戦まで飢えに苦しんだ。
その終戦の知らせも、島へ届いたのはコロールよりはるかに後で
生き残った守備隊も帰還する術がなく、時間を要した。
 
現在は国境警備のレンジャーが僅かに配置されている程度で
物資補給のための定期船も一応あるが、丸三日かかるという。
 
「ハトホベイに飛行場を作ってくれ」
その、遥かなるハトホベイの州知事が2年ほど前、コロールを訪れ、
観光誘致にと、飛行場の建設を嘆願した。 
「これがそのイメージだ」と言って広げた図面には
島に十文字の滑走路が描かれている。
 
驚きの青写真
驚くべきは、その図面に、日本語で
「昭和15年」と記されていたことであった。どうも当時
日本海軍がペリリューに次いで計画した滑走路だったらしい。
とんでもないお宝と歴史の発見だった。
 
遥かなるハトホベイ 遥かなる昭和15年
観光が成り立つかはさて置き、
単純問題、ハトホベイへ飛行機を飛ばすのは可能なのか
現地のパイロットに尋ねると
「何もない洋上を長距離飛ぶので双発の飛行機でないと渡航は困難」
らしい。それにしても当時の日本はここに十文字の滑走路を造成し
本気で零戦を飛ばそうと計画していた。
 
遥かなるハトホベイと、遥かなる昭和15年の設計図。
感慨深い出来事であった。 
 
※写真はアイライ飛行場。イメージです。

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