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2019年12月20日 (金)

彩雲

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彩雲(さいうん)は、太陽の近くを通りかかった雲が、
緑や赤に彩られる現象である。英語ではiridescent cloudsと呼ぶ。
 
昔から瑞相の一つであるとされ、これが現れることは吉兆とされる。
この現象は、日光が雲に含まれる水滴で回折し、その度合いが光の
波長によって違うために生ずるもので、大気光象の1つである。
巻積雲や高積雲、風で千切られた積雲などに見えることが多い。
 
日の高い季節の昼間に太陽の下方に現れるやや上に反った
水平な虹色の弧が彩雲として参照されることも多いが
これは「環水平アーク」と呼ばれる現象で、雲の中の氷晶
により見られる。間違えられやすい別の気象現象である。
  
彩雲は景雲や慶雲、また瑞雲などとも呼ばれ、仏教などに
おいては「日暈」などとともに、寺院の落慶、開眼法要などには
「五色の彩雲」等と呼ばれる、仏教的に重要な際によく発生する
現象として認識されていた。また、西方極楽浄土から
阿弥陀如来が菩薩を随えて、五色の雲に載ってやってくる
『来迎図』などにも描かれており、瑞相の一つとしても
捉えられていた。日本における記述例としては、『続日本紀』
神護景雲元年(767年)7月23日条と9月1日条に、五色雲の
記録が見られる。また、その出現自体が改元の理由ともなり得て、
飛鳥時代の704年から708年までは慶雲、奈良時代の767年から
770年までは上記の神護景雲の2つの年号が採用された。
  
実際には上述の「環水平アーク」同様、特定の気象条件や大気の
状態により発生する、それほど珍しくない大気現象であるが、
それ故に特定の事象、行事と結びつけて認識されることが
多々あったと考えられる。

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