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2015年7月30日 (木)

軍隊の無い国パラオ

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世界には色々な事情を抱えた国があるということを伝えたい。
 
画像は「コンパクト・ロード」。パラオ本島を一周する総延長78kmの
初めての舗装道路。台湾(中華民国)の援助によって建設された。
パラオは台湾(中華民国)を国家として認めている。
台湾の援助額と親密さはこの道路が証明している。
 
対照的に中華人民共和国とは国交が無い。
一昨年には同国の密漁船と銃撃戦を展開して双方に死者が発生した。
パラオは小国なので沿岸警備隊も充分に機能していない。EEZと領海侵犯を
行う中華人民共和国の密漁船が問題になっているが、必死の抵抗を
見せている。
 
独立を決断したパラオ
パラオは世界でも珍しい軍隊の無い国家である。
1978年に米国領より独立を宣言し、8回に渡る住民投票の末、
92年、米国領からの独立を国民自身の手により決断した。
ただし、ビキニ環礁(隣国マーシャル)の核実験でパラオ国民の核に対する
反感は非常に厳しいものとなっており、パラオには非核条約があり続ける。
 
独立後も安全保障を米国軍に委ねるパラオは依然として
強大な軍事力を持つ米軍と核兵器の傘下にあるという、矛盾が生じる。
よってこれを棚上げする形で独立が決定した経緯を持つ。
 

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独立できなかったグアム
ついでなので、隣のグアムに目を向けてみよう。世界中で米軍による
パワーバランスが働いていることを忘れてはならない。
 
グアムには、米軍の大航空拠点がある。グアム島の面積は
淡路島と同じ程と仮定して、このうち米軍基地が占める割合は
現在およそ33%。オキナワから海兵隊が移転すると47%に増大する。
グアム島の半分は基地になる。グアムは米国領だが、住んでいるのは
チャモロいう現地人で、大統領選の投票権すらない。
その負担は計り知れない。
 
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