« 原田要さんの話(3)真珠湾攻撃と亡き戦友の思い出 | メイン | 原田要さんの話(5)紫電改よりも零戦21型が一番だった »

2015年6月 9日 (火)

原田要さんの話(4)航空母艦への着艦

蒼龍

 
航空母艦への着艦
赤城も加賀も、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴、みんな一通り
着艦させてもらいました。
 
「赤城」という艦はね、あんまり良い艦じゃないんですよ。
艦尾の気流が乱れて、着艦が難しいんです。それなら幾分
「加賀」の方がいい。赤城も加賀も元々は戦艦を改造した航空母艦ですから
飛行甲板が海面から高いんです。
 
赤城の戦闘機隊は全部を引っ張っていくだけの、司令長官の艦ですから
艦隊の中でも一番の先輩か、部署によっては若いけれども優秀な人が
乗ってましたね。
 
「蒼龍」「飛龍」は元々航空母艦として設計されているから
飛行甲板は割合小さいけれど楽でした。
 
「翔鶴」「瑞鶴」が一番良かったですよ。着艦も非常に楽で良い艦でした。
ですから翔鶴、瑞鶴は、飛行時間の短い人達が乗っていたようです。
 
そうは言っても我々は航空母艦のパイロットですから
あの艦が良いとか
悪いとか言ってられないんです。ただ唯一、夜間着艦は怖い。夜間着艦
だけは最後まで怖かったですね。
 
それと、船だから当然、静かに走ってくれない。波で縦の揺れはしょっちゅうだし
それから横の揺れもしょっちゅう。だけど、揺れはまだいいんですよ。
一番嫌なのはヨーイングといって、母艦が艦尾を振るんですよ。せっかくこう
行って(真っ直ぐ着艦コースに入る)るのにまたこうして真っ直ぐに戻して。
 
戦争の時は、急速着艦と言って連続着艦しなければいけないんです。
その時は、次々降りてくるから、後ろがつかえているし待ってくれないんです。
一機が着艦したら、その飛行機を甲板の前へ出して、遮風柵(しゃふうさく)
というのを上げてしまうんです。後から降りてきたのが失敗したら、遮風柵に
ぶつかるようになってる。甲板の前には着艦した飛行機が一杯たまってるから
そこへぶつかればえらいことになるでしょう。一機を犠牲にしても前を守る。
それを皆こなしているのが、航空母艦の戦闘機パイロットなんです。
 
つづく
 

記事の内容が参考になりましたらクリックをお願いします!
読者の方々のクリックによって当サイトは維持されています

 
戦史 ブログランキングへ


 
※画像は「蒼龍」 模型製作/提供:ラプターさん
---------

原田要さんの話(1)撃墜した敵パイロットの顔が忘れられない
原田要さんの話(2)南京攻略とパネー号事件
原田要さんの話(3)真珠湾攻撃と亡き戦友の思い出
原田要さんの話(4)赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴、飛龍への着艦
原田要さんの話(5)零戦、紫電改、様々な飛行機に乗ってみて
原田要さんの話(6)関行男大尉の教官を務める
原田要さんの話(7)元ゼロ戦パイロットとして平和の大切さを訴え続ける

--------  

海軍パイロットデータベース
あ行 赤松貞明板谷茂指宿正信岩城芳雄岩本徹三江馬友一尾崎伸也
か行 黒川昌輝
さ行 重松康弘新郷英城杉田庄一

た行 玉井浅一田中民穂粒針靖弘富安俊助
な行 中島又雄長嶺公元永元俊幸
は行 羽生十一郎
ま行
や行 山下小四郎輪島由雄
 
陸軍パイロットデータベース
篠原弘道

◆◆◆

零戦雷電震電

Photo_13

烈風(改)戦闘機紫電改


記事の内容が参考になりましたらクリックをお願いします!
読者の方々のクリックによって当サイトは維持されています

 
戦史 ブログランキングへ

コメント

コメントを投稿